【徹底解説】キッチンカー開業が「やめとけ」と言われるのはなぜ?

キッチンカー事業を始めたいけど、「やめとけ」って言われた…。

キッチンカー事業のリスクってなに?

キッチンカーの開業に興味を持つ方は年々増えています。特に、コロナ禍以降、飲食業界ではキッチンカーが注目され、低コストで始められる柔軟なビジネスモデルとして支持を集めています。

一方で、ネット上では「廃業率が高い」「経営が難しい」といったネガティブな情報も目立ち、それが理由で一歩を踏み出せずにいる方も多いかもしれません。しかし、正しい知識のもと準備を行えば、キッチンカーは魅力的な選択肢となり得ます。

この記事では、キッチンカー開業に向けて知っておきたいリスクや成功の秘訣をご紹介します。

本記事の結論

・キッチンカー事業は、天候や季節によって売上が変わりやすく安定しにくい
・体力に自信がある人や、困難を楽しめる人に、キッチンカー事業はオススメ
・成功者やキッチンカー事業のプロに相談しながら、キッチンカー開業を成功させよう!

本記事を監修する専門家①
erica

CAMPFIRE公認パートナー。東北大学文学部を卒業。100名を超えるインタビュー経験から、事業者と挑戦者を結ぶプラットフォーム「わたしば」の運営とクラウドファンディングの支援を行う。

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多様な価値観や行動を理解するべく、東北大学文学部で社会学を学ぶ。地方への旅やインタビューメディアを通して、人の人生を聴くうちに、夢に向かって挑戦する人々を応援したいと思うように。

一期一会のインタビューを超えて、長期的な支援や機会提供を行いたいと考え、「わたしば」を立ち上げ・運営している。

目次

キッチンカーを開業する前に知っておくべきこと

キッチンカーの開業は、自由度が高く、魅力的なビジネスとして注目されています。しかし、成功するためには、その特性をしっかり理解し、事前に適切な準備を進めることが欠かせません。

一見シンプルに見えるキッチンカー経営ですが、実際には知らないと後悔するポイントも少なくありません。ここから、キッチンカーを始める前に押さえておくべき重要な知識について解説します。

知っておくべき3つの知識
  1. 初期投資や維持費がかかる
  2. 天候によって売上が大きく変わる
  3. 競合との差別化が必要

初期投資や維持費がかかる

キッチンカーを始めるには、車両の準備や設備投資が欠かせません。この初期投資が高額であることが、開業のリスクとして挙げられる理由の一つです。

キッチンカーの購入費

  • 中古のキッチンカー:150万〜500万円程度
  • 新車のキッチンカー:800万〜1,200万円程度

これに加えて、運転資金として6ヶ月分の経費、およそ300万円〜400万円を確保しておくことがオススメです。こうした大きな初期投資を回収するには、計画的な資金管理と明確な収支シミュレーションが不可欠です。具体的な数字を把握して準備を進めることで、リスクを最小限に抑えられます。

天候によって売上が大きく変わる

キッチンカーは、天候や季節に大きく影響を受けるビジネスです。例えば、雨天や強風の日はお客様が屋外に出づらく、売上が普段の半分以下に落ち込むケースもあります。一方、晴天が続くと週末の売上は大幅に伸び、好条件の日では通常の1.5倍以上の売上を記録することもあります。

また、季節ごとの需要変動にも注意が必要です。夏季はアイスクリームや冷たい飲み物が売れ筋で、客単価は300〜500円程度。冬季には温かい飲み物やスープ、ホットサンドなどの需要が増え、客単価が500〜800円に上がる傾向があります。このため、季節ごとのメニュー開発や設備の対応が欠かせません。

さらに、悪天候に備えた営業計画も重要です。屋内イベントや商業施設内での出店場所を確保することで、天候によるリスクを軽減できます。天候や季節ごとの売上データを記録し、予測と対策を立てることで、安定した収益を目指しましょう。

競合との差別化が必要

キッチンカー市場は近年急成長しており、2023年時点で国内のキッチンカーの登録台数は20,000台を超えたと言われています。この成長に伴い競争も激化しており、成功するためには他店舗との差別化が重要です。

例えば、他にはない独自性のあるメニューを提供することも大切です。実際、特産品を使った地元限定メニューを提供した店舗では、リピーター率が通常の1.5倍に増加した事例もあります。また、ターゲット層を明確にし、20〜30代向けにSNS映えを意識したメニューを開発した店舗では、Instagramのフォロワーが半年で5,000人以上増え、売上が安定したケースもあります。

さらに、イベント出店に特化する戦略も有効です。大規模イベントでは1日で50万円以上の売上を記録する例もあり、イベント主催者との良好な関係を築くことで、出店先を継続的に確保できます。

erica

メニューにこだわるだけでなく、デザインや接客、ブランディングによって顧客の興味を惹けるような魅力を打ち出していきましょう!

キッチンカー開業を「やめとけ」と言われる理由とは?

キッチンカーの開業は自由度が高く魅力的な選択肢ではありますが、「やめとけ」と言われることも少なくありません。その背景には、成功のイメージに隠れた特有のリスクや課題が関係しています。初期費用の安さや手軽さに惹かれて始めたものの、準備不足や現実とのギャップに直面し苦労するケースも多いようです。

本項目では、なぜキッチンカー開業に対して否定的な意見があるのか、その理由を深掘りします。失敗を防ぐために必要な視点やリスクを理解した上で、しっかりと準備を進めていきましょう。

「やめとけ」と言われる3つの理由
  1. ギャンブル的な要素が強い
  2. 出店料や手数料が毎回かかる
  3. 体力勝負の面が大きい

ギャンブル的な要素が強い

キッチンカーは、その場限りの出会いが多いビジネスです。例えば、観光地で1日30万円の売り上げを達成したとしても、そのお客さんが次の出店先に来てくれるかというと、可能性は低いですよね。次回の出店情報を伝えたとしても、遠く離れた場所にわざわざ足を運ぶ人は多くありません。そのため、出店場所ごとに当たり外れがあり、ある意味ではギャンブル的な要素が強いのがキッチンカーの特徴です。

こうした不確実性を「楽しい!」と感じられる人には、キッチンカーは大いに挑戦する価値があります。しかし、「安定した売り上げを目指したい」と考える人には向かないかもしれません。

出店料や手数料が毎回かかる

キッチンカーを運営する際は、出店場所を提供する企業のプラットフォームを利用する場合が多いです。これらの企業は、出店料をあらかじめ設定したり、売上の一部を手数料として差し引いたりするケースが一般的のため、結果として利益率が低くなりやすいです。

ただし、利益率を高める方法はあります。それは、自ら営業を行い、出店場所を直接確保すること。この方法であれば、手数料が発生せず、売上の大部分を自分の利益として残せます。ただし、その分、営業活動や交渉の手間が増えるため、労力を必要とする点には注意が必要です。自ら道を切り開けるかどうかが、キッチンカー運営での収益性を左右する大きなポイントです。

場所ごとの出店料の目安

スクロールできます
場所定額制歩合制
ビジネス街3000〜5000円15%
住宅街5000円15%〜20%
商業施設3000円~5000円 (平日)
5000円~10000円 (休日)
15%〜20%
大学5000円10~15%
大型イベント会場3000円~数10万円15~40%
参照:FUJI CARS JAPAN

体力勝負の面が大きい

キッチンカーの運営は一見自由で楽しそうに思えますが、実際はかなりの体力と労力を要する厳しいビジネスです。地方での出店では、片道2時間以上の移動も珍しくありません。

提供するメニューによっても、準備の負担は大きく異なります。例えば、揚げ物弁当の場合、業務用フライヤーや大量の仕込みが必要になり、設備や材料の重量が50kg以上になることも。軽いクレープメニューでも、生地や具材の準備には時間と手間がかかります。

キッチンカーは自由さ以上に体力勝負のビジネスと言えます。体力に自信がある人や、困難を楽しめる人には向いている一方、安定を求める人には実店舗の方が適しているかもしれません。

erica

キッチンカー事業は、基本的に立ち作業や重労働が多いため、腰などを痛める人も多いようです。体力をつけてから挑戦するのもオススメです!

キッチンカー事業で成功するには?

キッチンカー事業は、初期投資や天候リスク、体力面など多くの課題があるため、「やめとけ」と言われるのも仕方ない部分があります。しかし、困難を乗り越えた先には、自分のアイデアや情熱を元に、自由な働き方を実現できる可能性が広がっています。

不安を抱く方でも、入念な準備と工夫次第でチャンスを掴むことができます。ここから、キッチンカー事業で成功するための具体的なポイントを解説します。

キッチンカー事業 成功のポイント
  1. リサーチを徹底する
  2. 副業・アルバイトとして始めてみる
  3. 成功者やプロに相談してみる

リサーチを徹底する

事業を成功させるための最も重要な秘訣は、リサーチを継続的に行うことです。キッチンカー経営においても例外ではなく、運営が始まった後も、常に市場の動向を把握することが求められます。流行のメニューや新しい集客方法、他店の成功・失敗事例など、常に新しい情報を取り入れ、自分のビジネスに適用させることが大切です。

リサーチは単発で終わるものではなく、経営者として常に続けていかなければなりません。経営がうまくいき始めたとしても、そこで満足せず、更なる改善を目指して新たな情報を追い続けることが、長期的に成功するためのカギです。

副業・アルバイトとして始めてみる

飲食業や接客業の経験がない場合、いきなりキッチンカーを開業するのはリスクが伴います。そのため、まずは副業やアルバイトとしてキッチンカーに関わってみるのがおすすめです。副収入があることで、資金や時間に余裕を持ちながら、リスクを抑えてさまざまなアイデアを試すことができます。実際に現場での経験を積むことで、仕事の流れや顧客対応、メニューの工夫など、多くのことを学べます。

また、資金が不足している場合でも、アルバイトとして実際のキッチンカー業務に関わることで、開業への道筋を見つけやすくなります。経験を通じて、自分のアイデアを形にするための具体的な計画が立てられるようになり、開業後の成功に向けた準備が整うでしょう。

成功者やプロに相談してみる

キッチンカーの開業前後を問わず、既に成功している経営者や業界のプロから直接話を聞くことは、非常に有益です。実際にキッチンカーを運営している人の話は、理論ではなく実践に基づいているため、具体的で現実的なアドバイスが得られます。成功事例だけでなく、失敗や課題も共有してもらえるため、注意すべき点を事前に知ることができます。

キッチンカーを運営する経営者と連絡を取ったり、キッチンカー開業を支援する企業が主催するセミナーに参加したりなど、専門的な知識や経験談を得る機会を増やしていきましょう。成功者やプロの話を聞ける場を積極的に活用し、開業に向けて準備を進めていくことが大切です。

erica

キッチンカー事業の廃業率は30%とも言われています。最初から成功するとは限らないため、諦めない心や試行錯誤が大切です!

【まとめ】キッチンカー事業を成功させよう!

キッチンカー事業の成功には、綿密な準備と具体的な計画が欠かせません。まずはしっかりとした事業計画を立て、資金調達方法を模索しましょう。初期投資も大きいですが、クラウドファンディングなどを活用することで、開業に向けた一歩を踏み出すこともできます。

不安があったとしても、一歩踏み出すことで得られる経験や達成感は大きな価値に繋がります。キッチンカー開業は夢を実現する方法の一つ。あなたもこのチャンスを活かして、ぜひ挑戦してみましょう!

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