クラウドファンディングのリターン(お返し)の設計を徹底解説!

クラウドファンディングのお返しって、どう決めたらいいんだろう?

クラウドファンディングのリターンについて詳しく知りたい!

クラウドファンディングを始める際、支援者へのリターン(お返し)は、プロジェクトを成功に導く重要な一つの要素です。ですが、リターンを0から設計するのが難しいと感じる方もいると思います。

本記事では、クラウドファンディングに初めて挑戦する方でも分かりやすいように、リターンの種類、設計の方法、注意すべきポイントをご紹介します。本記事を参考に、支援者を惹きつけるようなリターンを考えていきましょう!

本記事の結論

・クラウドファンディングの種類によって、リターンの内容が変わってくる
・『購入型クラウドファンディング』では、商品・サービス型・体験型といった異なる種類のリターンを組み合わせて設計しよう!
・リターンは、支援者の属性やニーズに合わせて複数の選択肢を用意しておこう!

本記事を監修する専門家①
erica

CAMPFIRE公認パートナー。東北大学文学部を卒業。100名を超えるインタビュー経験から、事業者と挑戦者を結ぶプラットフォーム「わたしば」の運営とクラウドファンディングの支援を行う。

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多様な価値観や行動を理解するべく、東北大学文学部で社会学を学ぶ。地方への旅やインタビューメディアを通して、人の人生を聴くうちに、夢に向かって挑戦する人々を応援したいと思うように。

一期一会のインタビューを超えて、長期的な支援や機会提供を行いたいと考え、「わたしば」を立ち上げ・運営している。

目次

クラウドファンディングにおけるリターン(お返し)とは

そもそも、クラウドファンディングにおけるリターン(お返し)とは、どんな役割を果たすものなのでしょうか?ここでは、リターンの役割や、リターンが必要となるクラウドファンディングの種類について解説していきます。

リターン(お返し)の役割とは?

クラウドファンディングのリターン(お返し)は、支援への感謝を示すだけでなく、プロジェクトの成功に大きな影響を及ぼします。なぜなら、リターンを通じて、支援者はプロジェクトに貢献できた実感を強く持てるためです。魅力的なリターンを提供することで、支援者のモチベーションが高まり、プロジェクトの成功確率が上がります。

また、リターンはプロジェクトの個性を際立たせる大切な要素です。支援者の期待や想像を上回るような体験や商品を提供することで、プロジェクトの魅力を伝えていきましょう。

さらに、リターンはプロジェクトの目的や理念を反映し、支援者が違和感を覚えないような内容に設計することが重要です。

【リターン(お返し)の有無は?】クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングには、『寄付型』『購入型』『投資型』『融資型』の4つの種類が存在します。種類によって、リターンの有無や内容が変わってくるので、以下の表を参考に把握しておきましょう。

クラウドファンディングの主な種類

名称 特徴 リターンの有無リターンの内容
 寄付型支援者が利益を求めずに
社会貢献や応援のために
資金を提供
 購入型支援者が資金提供し、
見返りとして製品や
サービスを受け取る
支援額に応じて、製品や体験型サービスを提供
 投資型支援者が企業の株式や
持分を購入し、
将来的な利益を得る
支援額に応じて、企業の株式や持分を提供
 融資型支援者が資金を提供し、
利息付きで返済を受ける
支援額に応じて、利息収入などを提供
erica

実施したいクラウドファンディングの性質を見極め、適切な種類を選んでいきましょう!

【購入型クラウドファンディング】リターン(お返し)の具体例

『購入型クラウドファンディング』においては、支援者の提供金額に応じて、さまざまな価格帯のリターンを用意する必要があります。とはいえ、どんな内容がいいのか想像があまりつかない方も多いと思います。

ここでは、リターンの種類別にその内容やアイデア例を紹介していきます。

リターン(お返し)の種類 一覧
  1. 商品・サービス型リターン
  2. 体験型リターン
  3. 権利型リターン
  4. 感謝型リターン

それぞれ解説していきます!

1. 商品・サービス型リターン

商品・サービス型リターンは、プロジェクトで開発した商品やサービスを支援者に提供するリターンです。クラウドファンディングでは最も一般的で、多くの人がイメージしやすい形式となっています。

このリターンは、支援者にとって実用性があるだけでなく、プロジェクトの成果を実際に体験してもらう手段としても役立ちます。支援者がプロジェクトの成果物を手にすることで、より強い満足感を得られる仕組みです。

商品・サービス型リターンのアイデア例

製品・サービスの完成品を直接提供
製品・サービスに付随するや、限定版の提供
製品・サービスの先行予約・先行購入・早期割引
プロジェクトに関連したオリジナルグッズの提供

2. 体験型リターン

体験型リターンは、支援者がプロジェクトの世界観を体験できる機会を提供するものです。例えば、プロジェクトの舞台裏ツアー、限定イベントの参加券などが該当します。

この形式は、支援者がプロジェクトの一員として参加するため、より深い関係性を築ける点が特徴的です。また、体験型は記憶に残りやすいため、支援者がプロジェクトを長く応援し続けるきっかけにもなりやすいです。特に、高価格帯のリターン内容として、活用されるケースが多いです。

体験型リターンのアイデア例

プロジェクトに関連したワークショップへの参加
プロジェクトに関連する限定ツアーへの参加
プロジェクトメンバーとの特別な交流機会
支援者向け限定コンテンツへの招待

3. 権利型リターン

権利型リターンは、支援者に特別な権利や名誉を与えるものです。例えば、映画製作のクラウドファンディングでは、エンドロールに名前を載せる権利がよく見られます。

この形式は、支援者に特別感を与え、プロジェクトへのより深い関わりをもたらす効果があります。特に、高価格帯のリターン内容として、採用される場合が多いです。

権利型リターンのアイデア例

飲食店のVIP会員権
パーティー・見学ツアーなどのイベント参加権
事業相談・スキル提供などの参加権
プロジェクトのウェブサイトやプロダクトへの氏名の記載

4. 感謝型リターン

感謝型リターンは、プロジェクトを応援してくれた支援者に感謝の気持ちを伝えるためのリターンです。この形式は、シンプルでコストを抑えられる点が特徴です。手軽に提供できるため、特に低価格帯のリターンとして採用されることが多く、プロジェクトの規模や内容に関わらず幅広く活用されています。

感謝を込めたメッセージや限定アイテムを通じて、支援者にプロジェクトへの貢献を直接的に感じてもらえる点が魅力です。

感謝型リターンのアイデア例

支援者一人ひとりへのお礼のメッセージ・動画
メディア・SNS上での支援者の紹介
プロジェクトに関連した写真やデジタルアートの提供

erica

プロジェクトの特徴や世界観を明確にし、「嬉しい」「これ欲しい」と支援者が思うようなリターンを考えていきましょう!

【クラウドファンディング】リターン(お返し)の設計のステップ

支援者にとって魅力的なリターンを設計することは、クラウドファンディングの成功を左右する重要な要素です。魅力的なリターンは、支援への意欲を高めるだけでなく、支援者に『プロジェクトの一員』としての意識を持ってもらう役割を担っています。

リターンを考える際には、「自身のプロジェクトに対して支援者はどのような期待を寄せてくれるのか?」と客観的な視点を持つことが大切です。ここからは、魅力的なリターンを設計していくために特に重要なステップを4つご紹介します。

リターン(お返し)の設計 4ステップ

STEP
支援のターゲット層を明確にする

支援者が何を求めているかを理解することが、リターン設計の第一歩です。どのような人々がプロジェクトを支援しているのか、彼らがどんな価値を重視しているのかを把握するために、事前にアンケートを取ったり、過去の成功事例を調べたりすることが有効です。

例えば、若年層にはエンターテイメント要素の強いリターン、高年齢層には実用的なアイテムが好まれる傾向にあります。この段階でのリサーチが、支援者にとって魅力的なリターンを生み出す土台となります。

STEP
支援者に合ったプランを複数考える

すべての支援者が同じものを求めているわけではありません。そのため、さまざまな選択肢を提供することが大切です。低額の支援者には感謝のメッセージやデジタルコンテンツを、高額の支援者には特別な体験や限定アイテムを提供することで、幅広い支援者にアピールできます。支援者が自分に合ったリターンを選べるようにすることで、より多くの人が自分の予算や希望に応じて支援しやすくなり、結果的にプロジェクトの成功に繋がります。

STEP
予算とコストを現実的に設定する

リターンを考えるときは、支援者に喜んでもらいたい気持ちも大切ですが、予算やコストは現実的に考えていきましょう。例えば、オーダーメイドのアイテムや体験型イベントを用意する場合は、その材料費や準備時間などもきちんと考慮し、予算内で提供できるものにしましょう。

あまりにも高すぎる特典を設定すると、予想外のコストがかかり、プロジェクト全体の負担になる可能性もあります。支援者に嬉しいリターンを届けるためにも、適切な範囲で実現できるようにし、プロジェクトが無理なく進められるようにすることが重要です。

STEP
リターンを具体的に説明する文章を考える

支援者が安心してリターンを選べるように、リターン内容や提供方法については詳細に説明することが重要です。支援後にどのようなプロセスでリターンが届くのか、発送日や配送方法を事前に伝えることで、支援者が安心して支援することができます。

例えば、限定商品や体験型リターンの場合、詳細(例:「開催日は〇月〇日、場所は〇〇」)を明確に伝えることで、「どんな体験ができるのか?」「実際に参加可能なのか?」と具体的に検討することができるでしょう。

erica

プロジェクトを募集する前に、知人や友人に「どんなリターンが欲しい?」と聞いてみるのも効果的です!

リターン(お返し)設計における注意したいポイントとは?

リターン(お返し)の設計においては、注意したいポイントがいくつか存在します。ここでは、特に知っておくべき項目を3つお伝えしていきます。

リターン(お返し)設計の注意ポイント
  1. 高額支援者向けの特別リターンを設定しよう
  2. リターンの魅力を引き出す画像を活用しよう
  3. 過剰なリターン設計を避けよう

高額支援者向けの特別リターンを設定しよう

高額支援者向けの特別リターンを設定することで、さらなる支援を促すことができます。企業向けにはスポンサーシップやロゴ掲載、個人向けには名前の記載や特別イベントへの招待などが効果的です。こうしたリターンは、支援者に「自分がプロジェクトの一部になっている」という実感を与えるため、大きなモチベーションとなります。

また、高額支援者に向けた特別リターンの設計が、新たな支援者を引き寄せる相乗効果も期待できます。結果的にプロジェクト全体の支援基盤が強化され、目標金額の達成に近づきやすくなるでしょう。

リターンの魅力を引き出す画像を活用しよう

リターンの魅力を効果的に伝えるには、視覚的な要素が欠かせません。支援者が実際に受け取るアイテムや体験が具体的にイメージできるよう、質の高い画像や動画を用意しましょう。例えば、リターンを美しく撮影した写真や、ワークショップの様子を収めた映像があると、支援者はリターンの価値を直感的に理解しやすくなります。

また、デザインやレイアウトにも配慮し、プロジェクト全体のイメージと調和するビジュアルを作成することで、プロジェクトへの信頼感も向上します。視覚的な資料が充実していることで、「このリターンを手に入れたい!」と思わせる効果が期待でき、支援の意欲を後押しします。

過剰なリターン設計を避けよう

リターンが多すぎると、支援者が選択に迷い、逆に支援意欲を低下させる可能性があります。また、選択肢が増えることでプロジェクト側の管理負担やコストも膨らみます。効果的なリターン設計では、支援者にとって分かりやすい選択肢を提供することが重要です。例えば、価格帯ごとに明確に異なる魅力を持つリターンを設けることで、支援者が直感的に選択できる仕組みを作っていきましょう。

また、提供するリターンの内容を慎重に厳選し、コストや提供の手間を計算した上で無理のない範囲に抑えることも大切です。効率的なリターン設計は、運営側と支援者双方にとって大きなメリットとなります。

erica

無理のないリターン設計を心がけることで、プロジェクト運営のリソースを他の重要なタスクに割り振ることができます!

【まとめ】リターン(お返し)設計でプロジェクトを成功に導こう!

いかがでしたか?

クラウドファンディングにおけるリターン設計は、プロジェクトの成功に大きな影響を与える重要な要素です。支援者にとって魅力的で価値のあるお返しを提供することで、プロジェクトへの参加意欲を高め、目標達成に繋がります。

本記事で紹介したポイントを意識し、より多くの支援者の注目を惹きつけるようなリターン設計を考えていきましょう!

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