起業したいけれど、まずは何をしたらいいんだろう?
起業の手続きって、複雑でよく分からない…。
起業を考えている方にとって、手順や必要な知識を理解することは成功への第一歩。自分のアイデアを実現し、ビジネスを立ち上げることは大きな挑戦ですが、正しい手順と手続きを踏めば、安心して起業を進めることが可能です。
本記事では、起業の手順から必要な手続き、さらには起業にかかる費用まで解説します。起業に踏み出したいけれど不安な方、具体的な方法を知りたい方はぜひ参考にしてください。
・起業は、理想的な働き方や自己実現を叶える手段の一つ
・起業する前に、必要な手続きや資金の内訳を把握しておこう!
・資金調達は、クラウドファンディングなど様々な方法を活用しよう!
CAMPFIRE公認パートナー。東北大学文学部を卒業。100名を超えるインタビュー経験から、事業者と挑戦者を結ぶプラットフォーム「わたしば」の運営とクラウドファンディングの支援を行う。
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多様な価値観や行動を理解するべく、東北大学文学部で社会学を学ぶ。地方への旅やインタビューメディアを通して、人の人生を聴くうちに、夢に向かって挑戦する人々を応援したいと思うように。
一期一会のインタビューを超えて、長期的な支援や機会提供を行いたいと考え、「わたしば」を立ち上げ・運営している。
そもそも、起業とは?
そもそも、起業とはどのような行為を指すのでしょうか?ここでは、起業の基本的な考え方や、その現状について説明します。
起業の定義
起業とは、新たなビジネスを始めることを意味します。一般的には、製品やサービスを提供し、利益を得ることが目的です。
起業には、個人事業主となるか、法人を設立するかという主に2つの選択肢があります。個人事業主は、個人が直接事業を運営し、簡単な手続きで始めることができます。一方で、法人は法的に独立した組織を設立し、会社名義で事業を行います。
起業する人は年々増加している
株式会社帝国データバンクによる2023年の調査によれば、同年に全国で新たに設立された法人は、過去最多の15.3万社となっています。起業する人が増加している背景には、働き方の多様化や自己実現の追求が大きく影響していると考えられます。特に、若い世代を中心に、価値観に基づいた働き方を選択する傾向が強まっており、その一つの選択肢として起業が検討されているのです。
さらに、副業解禁やリモートワークの普及が進み、以前よりも柔軟な働き方が可能になりました。加えて、国や自治体による創業支援制度が充実になったことで、起業に踏み出す人が増えたと考えられるでしょう。
起業というと大変なイメージもあると思いますが、自分の夢や理想の働き方を叶える手段として捉えてみると、不安な気持ちも和らぎますね!
起業するにはまず何から?起業するために大切な5つのステップ
起業では、特に大切な5つのステップがあります。これらのステップを理解し適切に実行していくことが、ビジネスの成功にもつながっていきます。まずは、少しずつ準備を進めることで自信をつけていきましょう。
- 事業アイデアの決定
- ビジネスモデルの構築
- 会社設立の形態の決定
- 起業資金の準備
- 会社設立手続き
それぞれ紹介していきます!
1. 事業アイデアの決定
起業の第一歩は、自分の熱意や経験をもとにした事業アイデアの決定です。まずは、自分が解決したい課題を明確にし、どのような商品やサービスがそのニーズに応えるか考えていきましょう。
市場のトレンドや競合の状況をリサーチし、自分のアイデアがどのように差別化できるか模索することも重要です。また、知人や起業家から意見をもらうことで、より具体的な方向性を見出すことができるでしょう。
2. ビジネスモデルの構築
事業アイデアが決まったら、次はビジネスモデルを構築しましょう。ビジネスモデルとは、どのようにして収益を上げるかを示す枠組みです。具体的には、ターゲット市場の特定、提供する価値、収益モデル、コスト構造を整理していきましょう。
収益モデルには、製品販売、サービス提供、サブスクリプションなど様々な形態があります。明確なビジネスモデルがあれば、事業を実行する際の指針となり、資金調達の際の重要な資料にもなるでしょう。
3. 会社設立の形態の決定
起業に際しては、どのような会社形態を選ぶかも重要です。株式会社、合同会社、個人事業主など、選択肢はさまざまです。それぞれの選択肢に特徴やメリットがあるので、いずれの選択肢についても十分に検討してみましょう。
自身のビジネスの特徴や将来的な展望に基づいて、最適な形態を選ぶことが大切です。これにより、事業運営の方向性や責任の範囲が明確になります。
4. 起業資金の準備
起業には資金が必要不可欠です。まず、必要な資金の総額を見積もり、資金調達方法を考えることから始めましょう。
資金準備は早めに始め、計画的に進めることで、資金不足によるトラブルを避けることができます。また、資金調達の際には、ビジネスプランをしっかりと練り、説得力のあるプレゼンテーションができるよう準備しておきましょう。
5. 会社設立手続き
会社設立の形態が決まったら、必要な法的手続きを行います。株式会社や合同会社を設立する際には、正式な法人として認められるための具体的な手順が存在します。
これらの手続きは煩雑に感じるかもしれません。自身だけで進めていくのが難しく感じる場合は、専門家のアドバイスを受けることも検討すると良いでしょう。
5つのステップといえど、大変な道のりのように思えますよね…。周りの信頼できる人、起業経験のある人の力も借りながら、一歩ずつ進めていきましょう!
会社設立前に必要な手続きとは?
法人として会社を設立する際には、事前に必要な手続きがいくつかあります。起業が初めての方にとっては、手続きが複雑に感じられるかもしれません。ですが、しっかり準備を行うことでスムーズに手続きを進めることが可能です。
ここでは新たに会社を設立する際の事前準備について紹介していきます。
- 必要書類の準備
- 印鑑の作成と登録
- 定款の作成と認証
それぞれ、説明していきます!
1. 必要書類の準備
会社を設立する際には、まず必要書類を整えることが重要です。設立形態に応じて異なる書類が求められますが、一般的には、登記申請書、設立時の役員名簿、会社の所在地を証明する書類などが必要です。
これらの書類は、法務局への登記手続きに不可欠であり、正確に作成することが求められます。事前に必要な書類をリストアップし、漏れがないように準備を進めていきましょう。
2. 印鑑の作成と登録
会社設立のためには、会社の印鑑として法人印を作成する必要があります。この印鑑は、契約書や重要書類に押印するために使用され、法人の顔とも言える存在です。印鑑は専門の印鑑屋で作成できますが、材質やデザインを選ぶ際には、会社のイメージに合ったものを選ぶことも大切です。
また、印鑑を作成したら、法務局に登録する手続きも忘れずに。これにより、正式に法人としての証明が得られます。
3. 定款の作成と認証
定款は、会社の基本的なルールを決める大切な文書です。この中には、会社の目的や名前、所在地、資本金、役員の構成などが記されています。定款を作成する際は、法律に沿った要件を満たす必要があり、不備があると設立手続きが進まなくなることもあります。そのため、困ったときは専門家に相談するのもおすすめです。
作成した定款は、公証人の前で認証を受ける必要があります。この認証を受けることで、定款は正式な書類となり、会社設立の重要な役割を果たすことになるでしょう。
慣れない言葉や書類作成に、不安を抱くこともありますよね。できるところから一つずつ取り組み、必要に応じてサポートを得ていきましょう!
会社設立後に必要な手続きとは?
会社設立の準備が整ったら、次は設立後に行う重要な手続きに取り組んでいきましょう。会社が正式にスタートを切るためには、税務署への届け出や社会保険の手続きなど、さまざまなステップが待っています。
ここでは、特に大切な3つの手続きについて紹介していきます。
- 税務署への届け出
- 社会保険関連の手続き
- 法人口座の開設
1. 税務署への届け出
会社設立後、まず行うべき手続きの一つが税務署への届け出です。新たに法人を設立した場合、設立日から1か月以内に法人設立届出書を提出する必要があります。この届け出によって、税務署に法人としての登録が行われ、以降の税務処理がスムーズに進むでしょう。
さらに、青色申告の承認申請書を提出することで、青色申告特別控除を受けられ、税金の負担を軽減することができます。正しい手続きを行うことは、法人としての責任を果たすための大切な第一歩です。
2. 社会保険関連の手続き
次に、社会保険に関する手続きを進める必要があります。会社の規模に応じて、健康保険や厚生年金、雇用保険などに加入することが求められます。特に、従業員を雇う場合、これらの保険加入は法律で義務付けられているため、早めの対応が大切です。
手続きは、年金事務所や労働基準監督署で行います。社会保険を整えることで、従業員に安心感を与え、会社の信頼にもつながります。また、雇用契約書も事前に準備しておきましょう。
3. 法人口座の開設
法人を設立したら、法人口座の開設も行いましょう。個人の口座と分けて管理することで、会社の資金の出入りを明確にし、経理や税務処理を適切に進めることができます。
口座開設の際には、銀行ごとに必要書類が異なるため、事前の確認が重要です。一般的には、法人登記簿謄本、印鑑証明書、代表者の身分証明書などが必要になります。法人口座を持つことで、取引先との支払いがスムーズになり、信頼感も高まるでしょう。
それぞれの手続きで必要な書類や期限があるので、丁寧に確認しながら進めていきましょう!!
起業にかかる費用ってどれくらい?
起業に踏み出すとき、まず気になるのは費用ですよね。初期投資をどの程度準備すべきか、そして資金がどこに使われるのかを理解しておくことで、安心して起業を進めることができるでしょう。
ここからは、代表的な費用を起業前・起業後に分けて紹介し、どのような支出に備えるべきか解説していきます!
起業前に必要な費用
起業アイデアを実現するための初期投資や必要な準備には、想定以上の出費が伴うことも少なくありません。起業前に発生しやすい代表的な費用について、3つご紹介します。
- 法人登記費用
- 事務所・店舗の初期費用
- プロトタイプの制作・テスト費用
1. 法人登記費用
法人登記費用とは、会社を正式に設立するために必要な行政手続きにかかる費用です。具体的には、定款の認証料、登録免許税、司法書士など専門家への依頼料が含まれます。定款の認証には約5万円、登記の際の登録免許税は株式会社なら15万円程度が一般的です。専門家へ依頼する場合は、追加で費用がかかることを考慮しておきましょう。
2. 事務所・店舗の初期費用
事務所や店舗の初期費用は、事業の形態によって大きく異なります。一般的には、賃貸契約、内装・設備費、備品購入費などがかかると考えられます。賃貸契約には敷金・礼金、仲介手数料がかかり、契約金額は数ヶ月分の家賃が目安です。
事業規模によりますが、これらの初期費用は数十万円から数百万円に達することもあります。事前に費用の見積もりを立て、無理のない資金計画を検討していきましょう。
3. プロトタイプの制作・テスト費用
プロトタイプの制作・テスト費用は、製品やサービスの実現可能性を確認するための重要な工程です。試作品の設計、素材の購入、開発者の工賃などが含まれ、複数回のテストを行っていきます。
プロトタイプの種類や規模によって費用は異なり、小規模な製品であれば数万円程度、大規模な開発では数十万円以上かかることもあります。実際の製品化前に改善点を見つけることで、無駄なコストの削減につながるでしょう。
起業後に必要な費用
会社を設立した後も、経営を安定させるには様々な費用が必要です。起業後に発生しやすい代表的な費用について、3つご紹介します!
- 運営費用
- 人件費
- 税金・保険料
1. 運営費用
運営費用は、事業を円滑に運営するために定期的に発生する費用を指します。これには、家賃や光熱費、通信費、広告費などが含まれます。
運営費用は通常、月単位で数万円から数十万円の幅がありますが、事業規模や地域によって大きく変動する項目です。安定した事業運営を実現させるためにも、費用を綿密に予測し、適切に管理していきましょう。
2. 人件費
人件費は、企業が従業員に支払う給与や賞与、福利厚生などの総称です。この費用も、起業の規模や業種に応じて大きく変動します。つまり、従業員の数が多ければ増加し、少なければ抑えられるでしょう。
一般的に、従業員の人件費は月単位で数十万円から数百万円になることが多い項目です。効率的かつ持続的な人材運用を行うために非常に重要です。
3. 税金・保険料
税金・保険料は、法人が法的に支払う必要のある費用です。主に、法人税、消費税などが含まれ、法人税は企業の利益に基づいて課税され、消費税は販売した商品やサービスに対して課税されます。
税金・保険料の額は企業の売上や利益、従業員数に応じて変動し、一般的には月単位で数万円から数十万円、場合によってはそれ以上になることもあります。
総額で、どれくらいかかる?
起業にかかる費用は、事業内容や規模によって異なりますが、一般的には数十万円から数百万円に達することが多いです。日本政策金融公庫の2021年の調査によると、開業費用500万円未満は約42%となっています。
また起業前の準備段階でも、専門家への依頼やマーケティングなど、様々な費用が発生することも考えられます。業種や実店舗の有無、人件費の程度によっても大きく変わってくるでしょう。
起業を検討する際には、費用の内訳を把握するとともに、具体的な予算を立てることから始めていきましょう!
中小企業庁や日本政策金融公庫の公式サイトでは、起業に関する様々な情報や調査レポートが掲載されています!参考にしてみましょう!
資金調達の方法とは?
資金調達は、起業を考えるときに避けて通れない課題ですが、「こんなに用意できる自信がない…」と不安になる方も多いのではないでしょうか。ですが、自己資金だけに頼る必要は全くありません。
いくつかの方法を活用することで、必要な資金を確保し、起業を実現させることができます。ここでは、具体的な資金調達の手法を3つ見ていきましょう。
- 自己資金と外部資金
- 補助金・助成金の活用
- クラウドファンディングの利用
1. 自己資金と外部資金
起業の資金調達において、自己資金は最も基本的な方法ですが、全額を用意するのが難しい場合もありますよね。
自己資金が不足している場合は、外部資金の活用を検討しましょう。これには、銀行からの融資、投資家からの資金調達などが含まれます。信頼できる資金源を見つけることで、起業をスムーズに進められます。
2. 補助金・助成金の活用
国や地方自治体は、起業支援のためにさまざまな補助金や助成金を提供しています。これらは返済不要の資金源であり、特定の条件を満たすことで申請できます。
例えば、新しい技術や商品開発を行う企業向けの助成金などがあります。上手に利用することで、資金負担を軽減しながらビジネスを成長させることが可能です。
3. クラウドファンディングの利用
近年、クラウドファンディングは起業家にとって人気のある資金調達手法となっています。オンラインプラットフォームを通じて不特定多数の人々から支援をもらうことで、サービスや製品に多くの費用をかけることも可能になっています。
また、クラウドファンディングを上手に活用することで、アイデアがどれだけ受け入れられるかリアルタイムで確認することもできます。資金を集めつつ、製品やサービスに対する市場の関心を知ることも可能です!
クラウドファンディングは、多くの人々に起業やサービスを知ってもらうきっかけにもなりやすく、特におすすめの方法です!
【まとめ】起業の基本を押さえ、一つずつ取り組んでいこう!
いかがでしたか?
起業は大きな挑戦とも思えますが、正しい手順と手続きを行うことで、着実に進めることが可能です。まずは必要な知識や手続きを整理し、具体的な計画を立てていきましょう。
準備段階では、成功するかどうか不安に思えたり、資金が思うように集まらず困ったりすることもあると思いますが、仲間や信頼できる知人、専門家に頼りながら一つずつクリアしていきましょう。本記事を通して、一つでも疑問や悩みが解消できていたら幸いです。