AIによって将来なくなる仕事の特徴ってなに?
どうやったら将来なくならない仕事に就けるかな?
私たちの暮らしや働き方に大きな影響を与えている、テクノロジーやAI。「AIの台頭で、将来多くの仕事が消える」という話も一部では出てきていますが、なぜそう言われるようになったのでしょうか?
本記事では、テクノロジーやAIの影響について整理し、どのような仕事が影響を受けやすいのか具体例を交えて解説します。今後のキャリアについて考える際に、ぜひ参考にしてみてください!
・AIは、データの処理や24時間稼働できることが強み
・単純作業が続く仕事は、AIに代わられやすい
・新たな技術やスキルを獲得し、柔軟なキャリアプランを持とう
CAMPFIRE公認パートナー。東北大学文学部を卒業。100名を超えるインタビュー経験から、事業者と挑戦者を結ぶプラットフォーム「わたしば」の運営とクラウドファンディングの支援を行う。
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多様な価値観や行動を理解するべく、東北大学文学部で社会学を学ぶ。地方への旅やインタビューメディアを通して、人の人生を聴くうちに、夢に向かって挑戦する人々を応援したいと思うように。
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将来、仕事がなくなっていく理由とは
そもそも、どうして将来仕事がなくなると言われ始めたのでしょうか?
そのきっかけとなった研究を2つご紹介します。
約49%の仕事は将来的に自動化
2013年のオックスフォード大学の研究により、「AIによって49%の仕事がなくなる」という予測が発表されています。アメリカの700以上の職業を分析した結果、そのうち49%が将来的に自動化されるリスクが高いと結論づけられました。
これは大げさな結論であると指摘する見方もあるものの、テクノロジーの進歩により仕事がなくなる可能性は大いにあります。特に、運輸・物流は、AIに置き換えられる可能性が高いと言われています。
労働者の約14%は5年後までに転職が必要
2017年に行われたMcKinsey Global Instituteによる調査によると、2030年までに世界の労働者の約14%が、デジタル化や自動化によって職業の変更を余儀なくされると分析されました。この変化により、労働市場が再編成されると指摘しています。
本調査では、職種を変える必要がある人は、新たなスキルの習得が求められると言われています。特にAIによる自動化が進む分野として、会計や事務業務、倉庫業務、カスタマーサポートが挙げられています。
サービスの問い合わせや予約など、AIによる対応を受ける場面も日常生活の中で増えてきましたよね!
AIが人よりも得意なこととは?
テクノロジーやAIが人間が担ってきた仕事を代替する可能性があると分かりましたが、どうして特定の分野ではAIの導入が急速に進んだのでしょうか?
ここでは、AIが人よりも得意とされていることを3点ご紹介します。この3点を理解することで、AIによってなくなる仕事の共通項が見えてくるでしょう。
- 速度とデータ処理能力
- 24時間安定したパフォーマンス
- データ予測とパターンの学習
それぞれ解説していきます。
1. 速度とデータ処理能力
AIは、膨大なデータの量を瞬時に処理することができる、とても頼もしい存在です。例えば、金融の世界では、AIは数百万のデータを一瞬で分析し、トレンドやパターンをすぐに見つけ出しています。これにより、投資の判断やビジネスの戦略を素早く導き出すことができるのです。
この処理の速さは、人間が手作業でやる場合とは比べ物にならないほど効率的です。AIは疲れることなく、常に正確に作業を続けられるため、時間や労力の大幅な節約にも繋がります。特に、大量の情報を扱う現代では、この能力がとても重要視されているようです。
2. 24時間安定したパフォーマンス
AIは、安定したパフォーマンスを持つ点も魅力です。例えば、製造業では、AIが生産ラインを24時間監視し、機械の状態をチェックし続けることで、トラブルを未然に防いでいます。これにより、作業がスムーズに進み、生産効率を向上させています。
また、AIはカスタマーサポートでも活躍しています。AIチャットボットは、24時間体制で顧客の質問に答え、一貫した質のサービスを提供できます。ある企業ではAIを導入することで、顧客の待ち時間を大幅に短縮し、サービスの質を向上させました。このように、AIは昼夜を問わず高いレベルでの対応を維持できるため、顧客満足度を高める助けにもなりますね。
3. データ予測とパターンの学習
AIは、大量のデータを基に予測やパターンを導く能力にも優れています。例えば、医療分野では、AIが患者の症状や過去のデータを分析し、病気のリスクを予測することができます。このような予測は、早期の治療や予防に繋がり、患者の健康を守る助けとなります。
さらに、ビジネスの世界でも、AIは消費者の行動を分析し、購買傾向を予測することでマーケティング戦略を最適化します。ECサイトでは、過去の購入履歴を基に個々のユーザーに最適な商品を提案することで、売上を向上させることが可能になりました。
最近は、音声入力や自動翻訳の機能も充実してきましたよね。言語や音声の処理も、AIが得意とする領域と言えるでしょう。
将来消えやすい仕事の特徴
AIが得意なことを踏まえると、将来なくなりやすい仕事の特徴を導き出すことができます。
ここからは、将来消えやすい仕事の特徴を2つ見ていきましょう。
1. 定型化された作業内容
マニュアルに沿った同じ作業を繰り返す職種は、AIやロボットに置き換えられやすい傾向があります。例えば、工場の組み立て作業やデータ入力、コールセンターのオペレーターといった仕事は、AIやロボットによって自動化される可能性が高いです。なぜなら、AIやロボットは、人間よりも正確に高速に、そして長時間作業を行うことができるためです。
しかし、AIやロボットは、人間の創造性や柔軟性、臨機応変に対応する能力を十分には備えていません。そのため、AIやロボットでは対応できない、複雑な問題解決や顧客対応など、人間ならではのスキルが求められる仕事は、今後も存在し続けるでしょう。
2. 利益率が低い業界
利益率が低い業界では、人件費削減の必要性が高く、AIや自動化技術の導入が促進される傾向があります。例えば、小売業や飲食業など、利益率が低い業界では、人件費削減のために、AIやロボットの導入が進んでいます。セルフレジや配膳ロボットなど、AIやロボットが活躍する飲食店も増えてきましたよね。
AIやロボットの導入には、初期投資やメンテナンスにかかる費用が大きくなることがあります。また、AIやロボットを使うことで、顧客サービスの質が下がるリスクもあります。そのため、利益率が低い業界では、顧客の満足度を十分に考えながら、適切に導入することが求められています。
今、自分が就いている仕事のどこがAIに代替されそうか予測しつつ、人ならではのスキルを磨いていくのも大切ですね!
将来消える可能性の高い仕事7選
ここからは、将来消える可能性が高いと言われている仕事を7つ紹介し、その理由や今後必要なスキルについて解説していきます。
とはいえ、多くの仕事では経験則や感情に紐づいた判断が必要な場面もあります。すぐになくなるというわけではなく、AIによって代替しやすい仕事と捉え、参考にしていきましょう。
- スーパーやコンビニの店員
- 事務職やデータ入力
- 輸送業務、特にバスやタクシーの運転手
- 工場での組み立てや検品作業
- 銀行や金融機関の窓口業務
- ライター業
- 旅行代理店の業務
1. スーパーやコンビニ店員
スーパーやコンビニ店員は、すでに自動化が進んでいる仕事の1つですよね。近年では、セルフレジが導入され、顧客が自ら支払いをする店舗も増えてきました。また、オンラインでの注文も充実してきており、店舗での作業がさらにAIに代替される可能性が高いです。
レジ以外の業務でも、在庫や発注数の管理はAIが得意とする領域です。他にも商品陳列、簡単な案内業務も、自動化が進むと考えられています。
とはいえ、特に高齢者の多い地域では、顧客に応じたサポートやコミュニケーションを取りやすい有人レジは残っていくでしょう。顧客のニーズにしっかりと耳を傾け、柔軟に対応することは、人が得意な領域と言えるかもしれません。
2. 事務職やデータ入力
事務職やデータ入力は、オフィスワークの中心的な役割を果たしてきました。これまでの事務仕事は、書類作成やデータ入力、資料整理といったルーティンワークが主なものでしたが、AIの進化により自動化される傾向にあります。特に、膨大なデータの処理や分析、書類作成の自動化など、効率が求められる分野では、AIに代わられる可能性が高いでしょう。
しかし、AIはあくまでツールであり、人間の判断力や創造性を完全に代替することはできません。むしろ、AIを活用することで、より高度な業務に挑戦できる機会が増えるとも予測されています。
事務職やデータ入力に従事する方は、AIを活用するためのスキルやデータ分析の能力、さらにはコミュニケーション能力を高めることが大切です。スキルアップを図ることで、より多様な業務に携わるチャンスが得られるでしょう。
3. 輸送業務、特にバスやタクシーの運転手
自動運転技術の進化は、輸送業界に大きな変化をもたらしています。特にバスやタクシーの運転手は、自動運転技術の普及によって、その役割が代替される可能性があります。自動運転車は燃費や運行効率も優れているため、将来的には多くの路線バスやタクシーが自動運転化されることが予想されます。
また、よそ見やスピードの出し過ぎ、確認ミスなどヒューマンエラーによる事故を減らせるというメリットも大きいですよね。加えて、人材難に悩む地方課題を解決する方法として活用されていくでしょう。
「運転手の仕事がなくなるのでは?」という声もありますが、実際には自動運転技術の導入によって新しい仕事が生まれるチャンスもあるでしょう。例えば、自動運転車の運行管理やメンテナンス、安全管理といった新たな専門的な知識を身につけることで、AIによる代替に負けない人材となれる可能性もあります。
4. 工場での組み立てや検品作業
工場での組み立てや検品作業は、長い間人手に頼ってきましたが、最近ではロボット技術が進化し、自動化が進んでいます。特に、定型化された作業はロボットが得意とする分野であり、正確性の向上や人件費の削減に大きく影響を及ぼしています。
また、工場でAIやロボットを導入するメリットとして、24時間休みなく働けることが挙げられます。夜間も作業を進められるため、生産性をより向上させることも可能になりました。
とはいえ、単純作業にかかる人件費の削減は、工場作業員にとってもメリットにもなり得ます。プロジェクトの管理や製品のデザイン、新技術の導入など、より専門的なスキルを学んだり創造的な業務に携われたりするチャンスを増やせるとも捉えられるでしょう。
5. 銀行や金融機関の窓口業務
対面でのやり取りが中心だった銀行や金融機関の窓口業務。しかし最近、店舗を持たない金融機関やキャッシュレス決済もどんどん増えてきています。今では、窓口での業務の多くがオンラインで完結できるようになり、実際に窓口を訪れる顧客も減少しています。
しかし、AIやロボットは、顧客それぞれのニーズや感情に寄り添うことが難しいため、依然として人間の役割も大切と言われています。例えば、資産運用に関する相談や、複雑な金融商品についての説明など、専門知識や経験が必要な業務では、やはり人間が重要な役割を果たします。
そのため、銀行や金融機関で働く人は、顧客とのコミュニケーション能力や専門知識を深めていく必要があると言えます。
6. ライター業
ライター業も、テクノロジーやAIの進化によって大きな変化を迎えています。特に、コンテンツ制作や記事執筆の分野では、ChatGPTといったAIサービスを活用した効率的な作業が可能になっています。また、AIは大量のデータを分析してトレンドを見つけたり、特定のテーマについてのリサーチを迅速に行ったりすることも得意です。意外ではありますが、ライター業もAIによってなくなると予測されているのです。
ただし、ライティングには人間ならではの感性や独自の視点も大切ですよね。AIは情報を整理し、文を生成することは得意でも、感情を込めたり、独特のスタイルを持ったりする文章を書くことは難しいとされています。
加えて、多くの読者に届くようなコンテンツ提供のため、AIツールの活用、SEO(検索エンジン最適化)の知識やデジタルマーケティングのスキルなど、さらなる付加価値が必要と言われています。
7. 旅行代理店の業務
旅行代理店の業務は、かつてはスタッフが顧客と直接コミュニケーションを取り、旅程の提案や予約を行っていました。しかし最近では、オンライン旅行予約サイトやアプリの普及により、旅行者が自ら簡単に旅行の計画を立てられるようになっています。
また、チャットボットが、旅行の問い合わせやトラブルシューティングをサポートするケースも増えていますね。AIの活用により旅行代理店は効率化を図り、顧客に対してより迅速で適切な対応を行うことが可能になっています。
ただし、旅行は人間ならではの経験や感情が伴うものでもあります。例えば、特別な記念日や家族のイベントを祝うための旅行など、個々のニーズや希望に応じたきめ細やかな提案が求められる場合もあるでしょう。そのため、特別かつ最適な体験を提供できるような専門知識を身につけることが、旅行代理店の業務をより価値のあるものにする鍵となりそうです。
どんな仕事でもAIに代替される可能性があります。「仕事がなくなる」と捉えるのではなく、「AIが不得意な分野のスキルを高めよう」と前向きに考えていきましょう!
AI時代を乗り越えよう!大切な2つのポイント
テクノロジーやAIは、今後も目覚ましい発展を遂げると考えられます。私たちの働き方や仕事選びが大きく変わりつつある今、未来に対する不安や期待が入り混じった気持ちを抱いている方も少なくないはず。
AIに代わられる仕事が次々に予測される中、私たちはどのように対応することができるでしょうか?2つのポイントから一緒に考えていきましょう。
1. AIと共存できるスキルを学ぶ
AIは人間の能力を拡張し、より効率的な仕事を実現するための強力なツールです。特に、データ分析や効率的な作業処理など、AIが得意とする分野では、人間よりも優れた能力を発揮します。
しかし、創造性や問題解決能力、共感能力といった人間特有のスキルはAIには代替できません。これらのスキルに注目し、AIと共存できる能力を身につけることが重要です。
AIを効果的に活用することで、新たな価値を生み出すことができます。例えば、AIが分析したデータをもとに人間が戦略を立てたり、AIが生成した文章を人間が編集したり、AIが提案したアイデアを人間が具体化することで、協力しながら効率的かつ質の高い仕事を実現することが可能になっていくでしょう。
2. 変化に対応できる姿勢を育てる
テクノロジーやAIは急速に進化しており、社会や働き方が次々と変わっていくことが予想されます。このような時代では、従来の知識やスキルだけではなく、変化に柔軟に適応する姿勢も重要です。現在のトレンドを積極的に学ぶことで、不安をチャンスに変えられる力が身につきます。また、一度得た知識に固執せず、アップデートし続けることも大切でしょう。
さらに、失敗や予想外の事態を恐れず、試行錯誤を繰り返すことで、未知の状況にも対応できる自信が育ちます。変化への前向きな姿勢は、これからの時代を生き抜くための大きな武器となるでしょう。
変化を恐れるのではなく、むしろ活用していく姿勢が大切ということですね!
変化の激しいAI時代にキャリアを築くには?
従来のように安定した雇用が保証されていない今日、自分のキャリアを確実に築いていくためには、どんな考え方が必要なのでしょうか?
様々なスキルや考えが求められると思いますが、なかでも重要な3つのポイントについてご紹介します。
- クリエイティブや問題解決思考を身につける
- 高い専門性が求められる職業への転職を考える
- キャリアプランを柔軟に捉える
それぞれ、解説していきます。
1. クリエイティブや問題解決思考を身につける
AIはデータ分析や作業の効率化では優れた力を発揮しますが、創造性や共感力には乏しい側面もあります。これからの仕事では、AIではできないクリエイティブな発想や問題を解決する力が一層重要になってきます。
例えば、新しいアイデアを考える仕事や、顧客のニーズを深く理解して最適なサービスを提供する仕事などは、人間にしかできない部分です。これらの能力を高めるためには、普段から新しいことを学び、さまざまな経験を積むことが大切です。
その方法として、読書や映画を観たり、アート活動に参加したりするのも良いかもしれません。発想を広げたり、異なる視点を持つ機会を増やすことで、今後の仕事に役立つスキルを育てられるでしょう。
2. 高い専門性が求められる職業への転職を考える
さまざまな仕事が自動化される中で、高度な専門知識やスキルが求められる職業は依然として安定した需要が見込まれています。例えば、医療、法律、教育、研究開発といった分野は、AIでは代替が難しい職業です。これらの職業では、専門的な知識に加え、人間ならではのコミュニケーション能力や共感力、倫理観なども求められるためです。
そのため、将来を見越して高い専門性を必要とする職業への転職を考えることも、賢明な選択と言えるでしょう。また、専門分野の知識を深めながら、関連する広範な知識やスキルを身につけることで、今後のキャリアの選択肢を増やすことも可能です。
3. キャリアプランを柔軟に捉える
キャリアプランを柔軟に捉えることも非常に重要です。これからの時代は、職業の形が変わりやすく、求められるスキルや知識も急速に進化しています。そのため、一度決めたキャリアプランにこだわりすぎず、状況に応じて見直すことも大切です。
さらに、柔軟なキャリアプランには、リスクを取ることも含まれます。新しい挑戦や転職、起業といった選択肢も考えることで、自分に合った働き方を見つけやすくなるでしょう。これまでの経験やスキルを活かしつつ、新たな挑戦を受け入れる姿勢を持つことが、将来のキャリアにおいて大きな力に変わっていきます。
定期的に自分のスキルや興味、価値観を振り返るのも良いですね!
【まとめ】将来なくなる仕事を知り、柔軟に対応していこう
いかがでしたか?
テクノロジーやAIの普及は、働き方や職業選択に大きな変化をもたらしますが、AIと共存できるスキルを磨くことで、将来に備えることは可能です。
AIによってなくなるとされている仕事を避けたり、テクノロジーの普及に不安を抱くのではなく、AIをどうやって活用していくかという視点も大切にしていきましょう!
どんな仕事であれ、常にキャリアや今後の予測をしていくことは重要です。本記事をきっかけに、自分の将来について積極的に考えていきましょう!