事業投資型クラウドファンディングとは?仕組み・リスクと株式型との違い【2026年】

「事業投資型クラウドファンディング」って、購入型とどう違うの?
お金が戻ってくるなら、投資なんだよね?
事業投資型クラウドファンディングは、応援したい会社の特定の事業にお金を出し、その事業の売上や利益に応じてお金で分配を受け取る仕組みです。「ファンド型」とも呼ばれます。
購入型のように商品が届くのではなく、出資したお金が増えて戻るか、減って戻るかが決まる金融商品です。この記事では、関東財務局の資料と、事業投資型を扱うセキュリテの公式の説明をもとに、仕組みとリスクを整理しました。
この記事の結論
- 事業投資型(ファンド型)は、特定の事業の売上・利益から分配を受け取る投資。会社全体の利益から配当を受ける株式投資型とは違う
- 分配の合計が出資額を上回れば利益、下回れば元本割れ。匿名組合契約(セキュリテなど)では、出資額以上の損失は出ないと説明されている
- 途中解約や譲渡は原則できない。運用期間(会計期間)は数年のものが多い
- 事業者の商品などがもらえる出資者特典がつくファンドもある
- 株式投資型は2025年2月の改正で、一般の投資家の1社あたりの上限が最大200万円に広がった
事業投資型クラウドファンディングの仕組み
- 事業者が、新しい店舗や商品づくりなど、特定の事業のための資金を募集する
- 投資家は、仲介する金融商品取引業者のサイトから出資する(匿名組合契約が多い)
- 事業者は集めたお金でその事業を行う
- 決められた期間、事業の売上や利益の一部が投資家に分配される
- 分配の合計が出資額を上回れば利益、下回れば元本割れになる
セキュリテは、たとえば3万円を出資すると、期間中は毎年、事業の売上の一部が分配され、その合計が3万円を超えれば利益、下回れば元本割れになる、と説明しています。分配が「売上に連動する」ファンドでは、事業がうまくいくほど分配が増え、うまくいかなければ減ります。
出資者特典がつくことも
事業投資型のファンドには、事業者の商品などが届く出資者特典がつくものがあります。たとえば酒蔵のファンドに出資すると、その酒蔵の日本酒が届く、といった形です。特典はお金のリターンとは別のおまけで、ついていないファンドもあります。
商品が届く購入型とは、何が違うの?
事業投資型は、事業の売上や利益に応じてお金が分配される投資だよ。
法律と運営会社
投資型のクラウドファンディングは、平成26年の金融商品取引法の改正で制度が整い、2015年5月29日に始まりました。仲介する会社は、金融商品取引業者として登録を受ける必要があります。
| 種類 | お金を出す先 | 分配のもと | 自主規制の団体 |
|---|---|---|---|
| 事業投資型(ファンド型) | 特定の事業(匿名組合など) | その事業の売上・利益 | 第二種金融商品取引業協会 |
| 株式投資型 | 非上場の株式会社の株式 | 会社全体の利益(配当)や株式の値上がり | 日本証券業協会 |
ほかのクラウドファンディングとの違い
| 項目 | 事業投資型 | 株式投資型 | 不動産クラウドファンディング | 購入型 |
|---|---|---|---|---|
| お金を出す先 | 特定の事業 | 非上場会社の株式 | 不動産の運用 | プロジェクト |
| 戻ってくるもの | お金(売上・利益に応じた分配) | 配当・株式の売却益 | お金(家賃・売却益に応じた分配) | 商品やサービス |
| 元本割れ | ある | ある(株式の価値がなくなることも) | ある | —(買い物に近い) |
| 途中解約 | 原則できない | 株式は自由に売れないことが多い | 原則できない | 支払い後のキャンセルは各サイトの規定 |
| 根拠になる法律 | 金融商品取引法 | 金融商品取引法 | 不動産特定共同事業法など | — |
いちばんの違いは「何の結果でお金が決まるか」です。事業投資型はその事業の売上、株式投資型は会社全体の価値、不動産クラウドファンディングは物件の家賃や売却価格で決まります。
2025年の改正:株式投資型の投資上限
株式投資型については、2025年2月25日から上限が変わりました。
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 1社あたりの発行総額 | 1億円未満 | 5億円未満 |
| 一般の投資家の1社あたり投資上限(年間) | 50万円 | 純資産の5%、年収の5%、50万円のうち最も大きい額(上限200万円) |
| 特定投資家 | 50万円 | 年間の上限なし |


| 年収(純資産が少ない場合) | 1社あたりの投資上限 |
|---|---|
| 500万円 | 50万円 |
| 1,000万円 | 50万円 |
| 2,000万円 | 100万円 |
| 4,000万円以上 | 200万円 |
事業投資型(ファンド型)の上限や条件は、ファンドや仲介する会社によって違うので、申し込む前に契約書面で確かめましょう。
株式投資型って、いくらまで投資できるの?
2025年2月から、一般の投資家は1社あたり年50万円〜最大200万円になったよ。
代表的なサービスの例:セキュリテ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社セキュリテ |
| 登録 | 第二種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1791号 |
| 加入協会 | 第二種金融商品取引業協会 |
| ファンド組成の累計 | 募集総額138億円、事業者数702社、ファンド数1,069本 |
| 契約の形 | 匿名組合契約 |
| 手数料 | ファンドごとに所定の取扱手数料(振込手数料が別にかかる場合あり) |
確認時点では、自社醸造ビールの新店舗や、老舗の醤油蔵の新商品など、会計期間3年のファンドが募集されていました。
メリットとリスク
メリット
- 応援したい事業に直接お金を出せる:地域の会社や、まだ上場していない会社の事業に投資できます
- 事業の成果がそのまま分配に反映される:うまくいけば出資額以上が戻ります
- 出資者特典がある場合も:事業者の商品などが届くファンドがあります
リスク
- 元本割れがある:事業が計画どおりに進まなかったり、事業者が倒産したりすると、出資金が戻らないことがあります
- 途中解約・譲渡は原則できない:数年単位でお金が動かせません
- 分配は事業の結果しだい:不動産クラウドファンディングのような「想定利回り」がはっきり決まっていないファンドもあります
- 手数料がかかる:取扱手数料などはファンドごとに違います
始める前に確認したいこと
公式サイトに金融商品取引業の登録番号と加入協会が書かれているかを見ます。
売上の何%が分配されるのか、期間は何年かを、契約書面(匿名組合契約説明書など)で確かめます。
事業計画、これまでの実績、資金の使い道を確認します。
元本割れや事業者の倒産もありえるので、生活に使うお金は入れません。
よくある質問
事業投資型と株式投資型、どちらがいいですか?
特定の事業の結果だけに連動させたいなら事業投資型、会社全体の成長に賭けたいなら株式投資型、と考え方が違います。株式投資型は、会社が上場や売却をしないと、株式を手放してお金に換えにくい点にも注意が必要です。
事業投資型の分配金の税金は?
匿名組合契約の分配金は、国税庁の通達で原則として雑所得とされ、分配のときに20.42%が源泉徴収されます。
寄付型との違いは何ですか?
寄付型はお金のリターンがありません。事業投資型は、事業の結果に応じてお金が分配される投資です。
まとめ
事業投資型クラウドファンディングは、特定の事業に出資して、その売上や利益に応じた分配を受け取る投資です。事業がうまくいけば出資額以上が戻りますが、元本割れや途中解約できない点もあります。
株式投資型とは、何の結果でお金が決まるかが違います。仕組みを比べたうえで、契約書面を読んでから申し込みましょう。
