ソーシャルレンディングは危ない?行政処分と遅延の事例から見る選び方【2026年】

ソーシャルレンディングって、昔トラブルがあったって聞いたけど…
今も危ないの?どうやって安全なところを見分ければいい?
ソーシャルレンディングは、ネットで集めたお金を企業に貸し付けて、その利息を分配する投資です。「危ない」「おすすめしない」と言われる背景には、過去に実際に起きた行政処分や、償還の遅延があります。
この記事では、行政の公表資料と事業者の公式発表をもとに、何が起きたのかを事実で整理し、そこから分かる確認ポイントをまとめました。
この記事の結論
- 2018年のmaneoマーケット、2021年のSBIソーシャルレンディングでは、集めたお金の使い道が説明と違っていたことが行政処分の理由になった
- 今も、借り手の返済が遅れて償還が長引いている案件がある(クラウドバンクのDR社向け融資)
- 確認したいのは、登録の有無、貸付先と担保、遅延の情報の出し方、実績の公表のしかた
- 元本保証はない。1つのファンドに集中させないことが基本
「危ない」と言われる理由は何か
| よく言われる理由 | 実際にあったこと |
|---|---|
| お金の使い道がでたらめだった | 2018年maneoマーケット、2021年SBIソーシャルレンディングで、説明と違う使途が行政に認定された |
| お金が返ってこない | 借り手の返済遅延で、償還が長引いている案件がある |
| 途中で引き出せない | 運用期間中は解約できない(各社の規定) |
| 元本保証がない | 事実。各社とも元本は保証されないと明記している |
事例1:maneoマーケット(2018年)
証券取引等監視委員会は2018年7月6日、maneoマーケット株式会社に対する行政処分を求める勧告を出しました。
公表資料によると、同社のサイトでは、ファンドで集めたお金を特定の再生可能エネルギー事業に貸し付けると説明していました。しかし実際には、関連会社を経由して親会社に渡り、親会社の資金と混ざって別の事業に使われていました。監視委員会はこれを、ファンドの勧誘での虚偽の表示にあたると認定しています。
事例2:SBIソーシャルレンディング(2021年)
関東財務局は2021年6月8日、SBIソーシャルレンディング株式会社に、業務停止命令と業務改善命令を出しました。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 処分日 | 2021年6月8日 |
| 業務停止の期間 | 2021年6月8日〜7月7日(顧客取引の結了処理を除く全業務) |
| 問題になった貸付 | 甲社向けファンドで貸し付けた約207億円のうち、約129億円が説明と異なる使途 |
| 当時運用中のファンド | 64本・約470.4億円(2021年4月時点) |
処分の理由には、使途の虚偽表示に加えて、勧誘資料で説明していた審査やモニタリングが実際には機能していなかったこと、業績を優先する体質による管理態勢の不備が挙げられています。
行政処分って、どんなことが問題になったの?
集めたお金の使い道が、説明と違っていたことが理由になったよ。
事例3:今も続く償還の遅延
行政処分がなくても、借り手の返済が遅れれば償還は遅れます。
クラウドバンクは、DR社向けの融資について、2023年5月8日から償還の遅延を公式サイトで告知しています。公式発表によると、担保物(バイオマス発電所の権利を持つ会社の持分など)の売却や、連帯保証人に対する訴訟を進めながら回収を続けており、お知らせ一覧では2026年10月7日付の追記と表示されています(確認時点)。
クラウドバンクは、2026年3月末までの1年間に運用が終わったファンドの実績平均利回りを6.35%と公表していますが、この数字には運用中のファンドや償還が遅れているファンドは含まれていません。高い実績利回りを見るときは、遅延中の案件がどう扱われているかも合わせて確認する必要があります。
事例から分かる確認ポイント
公式サイトの最下部などに、関東財務局長(金商)第◯号のような登録番号があるかを見ます。金融庁のサイトでも登録業者を確認できます。
過去の処分は、使い道が説明と違っていたことが原因でした。貸付先の企業名や事業内容がどこまで開示されているかを見ます。
不動産担保や保証の有無で、遅延したときの回収の見込みが変わります。
遅延が起きたときに、経緯と回収の状況を継続して公表しているかは、事業者の姿勢を判断する材料になります。
実績利回りに遅延中の案件が含まれているか、元本毀損の件数を公表しているかを確認します。
事例と確認ポイントの対応表
3つの事例を、「どの確認をしていれば、異変に気づくきっかけになったか」という目線で整理しました。
| 事例 | 起きたこと | 関係する確認ポイント |
|---|---|---|
| maneoマーケット(2018年) | 再エネ事業向けと説明した資金が、関連会社経由で親会社の別事業に使われた | 貸付先と資金の使い道がどこまで開示されているか |
| SBIソーシャルレンディング(2021年) | 約207億円の貸付のうち約129億円が説明と異なる使途。審査やモニタリングも機能していなかった | 貸付先の開示、審査の説明と実態 |
| クラウドバンク DR社向け融資 | 借り手の返済遅延で、2023年5月から償還が遅れ、担保の売却や訴訟で回収中 | 担保と保証、遅延の情報の出し方、実績利回りの範囲 |
過去の処分は、どれも投資家からは見えにくいところで起きていました。投資家が確かめられるのは「開示されている情報の量と、遅延が起きたときの説明のしかた」です。
投資家が自分で確かめられることってあるの?
登録番号、貸付先と担保、遅延の情報の出し方は、公式サイトで確認できるよ。
申し込む前のチェック表
| 確認すること | どこで見るか | 確認できたら |
|---|---|---|
| 金融商品取引業の登録番号 | 公式サイトの最下部・会社概要、金融庁の登録業者一覧 | □ |
| 貸付先の企業名・事業内容 | ファンドの詳細ページ | □ |
| 資金の使い道 | ファンドの詳細ページ、契約締結前交付書面 | □ |
| 担保・保証の有無と内容 | ファンドの詳細ページ | □ |
| 遅延・元本毀損の件数を公表しているか | 運用実績のページ | □ |
| 実績利回りに遅延中の案件が含まれているか | 運用実績のページの注記 | □ |
| 遅延が起きたときのお知らせの更新 | お知らせ一覧 | □ |
たとえば、運用実績のページで遅延や元本毀損の件数を出しているサービスとして、Funds(スタンダードファンドで元本毀損0件)や、OwnersBook(返済遅延1件・元本割れ0件、2026年10月18日時点)があります。クラウドバンクは、実績平均利回りに遅延中のファンドを含めていないことを注記しています。数字の多い少ないだけでなく、どこまでを数えた数字なのかを読むことが大切です。
Fundsの募集中のファンドと運用実績は、公式サイトで確認できます。
クラウドバンクの特徴(PR)
- 証券会社が運営:日本クラウド証券(第一種金融商品取引業者、東証上場のunbankedグループ)
- 1万円から投資できる:融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
- 実績平均利回り6.35%:2026年3月末までの1年間に運用を終えたファンドの税引前の値(運用中・遅延中のファンドは含まない)
- 累計応募金額は約3,340億円(2026年10月時点)
注意:元本保証はなく、途中解約もできません。一部のファンドでは償還の遅延が続いています。出典:クラウドバンク公式サイト(2026年10月19日確認)
リスクを下げる投資のしかた
- 1つのファンドに全額を入れず、複数のファンド・事業者に分ける
- 運用期間中に使う予定のないお金で投資する
- 利回りが極端に高いファンドは、理由(担保、借り手の信用など)を確認する
- 遅延のお知らせを定期的に確認する
よくある質問
今のソーシャルレンディングは安全になりましたか?
行政処分を受けた事業者が出たあとも、ソーシャルレンディングで元本が保証されるようにはなっていません。事業者ごとに、登録・情報開示・実績の公表のしかたを確かめることが大切です。
遅延したらお金は戻ってきませんか?
遅延しても、担保の売却などで回収が進めば、元本の一部または全部が戻る可能性があります。ただし、いつ・いくら戻るかは事業者の回収状況によります。
元本毀損0件のサービスなら安心ですか?
過去の実績は将来を保証するものではありません。実績は判断材料の1つとして、貸付先や担保も合わせて確認しましょう。
まとめ
ソーシャルレンディングが「危ない」と言われる背景には、資金の使い道が説明と違っていた行政処分の事例や、今も続く償還の遅延があります。一方で、元本毀損0件を公表し、貸付先を開示しているサービスもあります。
登録番号、貸付先と担保、遅延時の情報開示、実績の数字の範囲を確かめ、1つのファンドに集中させずに投資しましょう。
