劣後出資は30〜69%|ちょこっと不動産の評判を全43本のデータで確認

1万円から不動産に投資できるって聞いたけど、どんな物件なの?
「劣後出資」って言葉をよく見るけど、どのくらいの割合のファンドが多いんだろう?
ちょこっと不動産は、株式会社良栄(不動産特定共同事業 東京都知事 第123号)が運営する不動産クラウドファンディングです。良栄は1991年設立の不動産会社で、戸建て住宅やアパートの開発、中古マンションのリノベーション販売などを行っています。
このサービスを調べるときに目を引くのが、ファンドごとに大きく違う「劣後出資」の割合です。公式サイトのファンド一覧と各ファンドの詳細ページから全43本をワタシバで集計し、予定分配率、劣後出資の割合、運用期間がどう変わってきたかを確かめました。
この記事の結論
- 2021年から43本(1〜44号、30号は一覧に載っていない)を募集。募集金額の合計は約10.9億円
- 劣後出資の割合は30〜69%(中央値40%)。最新の43号・44号は68%・69%
- 最新のファンドは、借地の上に建売住宅を建てて売り、その代金で分配する売却益型。工事の遅れや売却の延期で期間が延びることもある
劣後出資の割合を全ファンドで比べた

ちょこっと不動産は「優先劣後方式」をとっています。投資家が入れるお金は「優先出資」、良栄が入れるお金は「劣後出資」で、物件の価格が下がったときは劣後出資の部分から先に損失を負担します。公式のFAQでは、下落が劣後出資の範囲内なら優先出資者の元本に影響はなく、超えた場合は元本が減るとしています。
各ファンドの詳細ページに書かれた劣後出資の割合を集めると、2〜44号の42本で中央値40%、最小30%、最大69%でした(1号は記載なし)。50%以上のファンドは10本あり、2026年9月募集の43号は68%、44号は69%です。
| 募集を始めた年 | 本数 | 予定分配率の中央値 | 劣後出資の割合の中央値 | 予定運用期間の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 6本 | 5.5% | 30% | 5.5か月 |
| 2022年 | 13本 | 4.0% | 37% | 6か月 |
| 2023年 | 10本 | 3.9% | 45% | 9.5か月 |
| 2024年 | 8本 | 3.9% | 40% | 6か月 |
| 2025年 | 3本 | 4.3% | 37% | 10か月 |
| 2026年 | 3本 | 4.3% | 68% | 10か月 |
劣後出資の割合が高いのは、どの年のファンド?
本文の表のとおり、中央値は2023年が45%、2026年が68%と高めだったよ。
予定分配率は3.9%が最も多い
| 予定分配率 | 本数 |
|---|---|
| 3.9% | 19本 |
| 4.0〜4.05% | 7本 |
| 4.3% | 5本 |
| 4.5% | 4本 |
| 5.0% | 3本 |
| 6.0〜7.0% | 5本 |
予定分配率は、2021年のファンドが5〜6%、2022年も8号が6.0%、9号が7.0%と高めでしたが、2023〜2024年は3.9%が中心になりました。2025年以降は4.05〜4.3%です。1本の募集金額は中央値2,820万円(540万〜4,580万円)と小さめで、すべて先着方式で募集されています。
分配の時期は、1〜5号・15号・27号の7本が毎月分配、ほかの36本は運用終了後などにまとめて受け取る形でした。
建売住宅を建てて売る、売却益型のファンド
最新の44号は、東京都八王子市上野町の建売住宅2棟のうちB号棟が対象です。借地(旧法借地権)の上に良栄が自社で住宅を建て、その売却代金で分配と償還を行う、売却益だけのファンドです(インカムゲインの利回りは0%)。
| 項目 | 44号 八王子市上野町B |
|---|---|
| 出資総額 | 3,300万円(うち優先出資=募集金額1,020万円、劣後出資2,280万円) |
| 優先・劣後の割合 | 優先31%:劣後69%(借入なし) |
| 予定分配率 | 4.30%(年率・税引前) |
| 運用期間 | 2026年9月28日〜2027年7月27日(303日) |
| 工事の予定 | 2026年8月着工、2027年1月下旬に竣工予定 |
詳細ページでは、天候などで工事が遅れるとスケジュールに影響が出ることがあり、期間内に売却が終わらなければ、1年を超えない範囲で契約期間を延ばすことがあると説明しています。賃料で分配するファンドとは違い、家が予定どおり完成して売れるかどうかが分配と償還を左右します。
売却日の延期と、早期売却の例
お知らせを見ると、売却のタイミングで運用期間が前後した例がありました。
| ファンド | 経緯 |
|---|---|
| 40号 世田谷区野沢 | 買主の都合で売却日を2026年5月11日から6月22日に延期。6月22日に売却して運用終了(当初の予定は7月7日) |
| 42号 大田区中央3丁目 | 予定価格4,780万円に対し4,980万円で売却。2026年9月11日に運用終了(当初の予定は2027年2月22日、運用日数は303日の予定が142日) |
どちらも、分配金は予定分配率(年4.30%)で運用した日数分を日割りで計算するとしています。42号のように予定より早く売れると、お金は早く戻りますが、受け取る分配金はその分少なくなります。
予定より高く売れたら、分配も増えるの?
お知らせでは、42号の分配は予定分配率4.30%の日割りと書かれていたよ。
一覧がすべて100%になる理由
ファンド一覧では、43本すべての申込額が募集金額の100%と表示されています。公式のFAQによると、投資家の優先出資が募集金額に届かなかった場合は、良栄が足りない分を優先出資者として出資して運用を始めるとしています。「100%」は、投資家の申込だけで埋まったことを示すとは限りません。
出金・解約・税金
出金には手数料がかかる
分配金や償還金は投資家口座に入り、出金するときは出金手数料が差し引かれます(出金依頼から5営業日以内に振込)。2026年5月と8月に、出金手数料を引き下げたとお知らせしています。入金の振込手数料も自分で負担します。
解約はやむを得ない事由があるときだけ
契約成立時書面を受け取った日から8日以内なら、書面でクーリング・オフができます。それ以降の解約は、やむを得ない事由がある場合に限られます。ほかの人への譲渡は、良栄が認めた場合にでき、自分の都合で譲るときは手数料がかかります。
確定申告の目安
分配金は雑所得で総合課税になり、源泉徴収されたうえで支払われます。給与の収入が2,000万円以下で1か所から給与を受け、給与以外の所得が20万円以下の場合などは、所得税の確定申告が不要なことがあります。確定申告用の支払調書は、翌年1月にマイページで確認できます。
会員登録の対象外になるのは、マイナンバーを持っていない人、日本に住んでいない人、20歳未満・80歳以上の人です(20歳未満・80歳以上は問い合わせで個別対応)。
劣後出資の割合だけで選ばないために
劣後出資の割合が大きいことは、ちょこっと不動産の大きな特徴です。一方で、最新のファンドは家を建てて売る売却益型なので、賃料で分配するファンドとはリスクの中身が違います。比べるときは、劣後出資の割合と一緒に、分配の原資(賃料か売却代金か)と期間の延長の条件も見ておきましょう。
ちょこっと不動産で気になる点
30号はどこにありますか?
2026年10月26日時点のファンド一覧には、30号が載っていませんでした。理由の説明は公式サイトで見当たりませんでした。
抽選はありますか?
これまでの43本はすべて先着方式です。申込のあとに、案内された期限までに出資金を振り込みます。先に入金しておくことはできません。
1万円でも申し込めますか?
1口1万円から申し込めます。1人あたりの上限口数はファンドごとに決まっていて、44号は1,019口でした。
まとめ
43本の詳細ページを並べると、劣後出資の割合は30〜69%とファンドごとに大きく違い、最新の2本は7割近くを良栄が負担する形でした。予定分配率は3.9%のファンドが最も多くなっています。
最新のファンドは建売住宅の売却で分配する仕組みなので、工事や売却の進み具合で期間が変わります。申し込む前に、詳細ページの劣後出資の割合と工事・売却の予定、延長の条件を読んでおきましょう。
